Because it's there.

“それ”はその都度
変化するらしい。

続・七転八倒趣味日記

24
2014  21:56:01

11ピークス目(敗退) ~空の蒼さ、背景の重さ

入笠山、北横岳と順調に雪山の世界に入ることができた我々は
随分と調子に乗ってきたようで気がつけば
『初級以上中級未満』といったレベルのお山すら
射程範囲内として探し始めていました。

今号の「山と渓谷」の遭難特集を読みながら
脳内だけは雪山の恐ろしさを知りながら
実感としては全くわかっていない雪山の世界へと飛び込んで行く週末を思います。

今回の旅は、先日12本爪アイゼンを入手した事もあり
試したくて適当なフィールドを探していたというのが正直なところですが、
身の丈に合わないお山に出かけて
見事「お山の制裁」を受けたというお話。

2014_0223_00.jpg

今回のお山は、長野県茅野市にある蓼科山(標高2,530m)。
先日お邪魔した北横岳の更に北側に少し離れて鎮座する
日本百名山にも数えられる名峰である。

難易度として、「初級から一歩前進」程度に位置づけられる事が多いようで。
ルートも明確で道迷いの心配も少なく、
人気のお山のため登山客が大勢いるというのも心強いばかり。


先日と違いチェーン規制は軒並み解除され
若干の車線規制や速度規制があるものの
すんなりと諏訪南ICまで到着。
ビーナスラインも完全に除雪されていてノーマルタイアでも問題なし。
(一応4WDモードで走ってますが)
そうこうしているうちに蓼科山が見えてくる。
2014_0223_01.jpg


んでビーナスラインをひた走り
登山口+駐車場のある女神茶屋に到着。
2014_0223_02.jpg
ここでちょっとトラブル発生。

のんびりいきすぎて9時前の到着でしたが、
なんと駐車場が満車状態
通常なら20台ほど停められそうな立派な駐車場があるんですが
残雪の影響もあって10台ほどの停車スペースだった事も理由かもしれません。

雪をスコップなんかでかいちゃえば+αのスペースも作れたのでしょうが、
ウチの愛車には緊急用の小型スコップしか乗っておらず早々に断念。

じゃあどうしたかというと、
なんと路駐してしまいました。
いやー、間違った判断をしてしまいました。
実は登山中ずっと頭から離れませんでした。
悪いことはするもんじゃない。
せめて少しでも雪をかいて、可能な限り車を寄せるべきでしたって
そんな問題じゃありませんね・・・。二度とやりません。


出だしがそんなんだったこともあって
なんとなくスッキリしないスタート地点だった訳ですが
まぁやりたいことはやる訳で
2014_0223_03.jpg
12本爪アイゼンの初投入であり

2014_0223_04.jpg
ピッケルの使用感テストであるのです。



本日のルート
2014_0223_05.jpg
どことなく男体山に似ている容姿と同じく
ルートも直登の男道。
片道3キロ強の道のりで高低差約800mを駆け上がります。

今回のテーマは
・アイゼン&ピッケル使用テスト
・ハードシェルの使用テスト
・13時までに山頂に行けなければ引き返す
・できれば滑落停止訓練をする
・12本爪を付けてグリセードできるか実験
といったところであった。



不法に放置される愛車に後ろ髪引かれながら
結局はクライムオンしてしまうダメな大人たち。
2014_0223_06.jpg
トレースはバッチリで、頂上までまず道迷いはないと思います。
蓼科山は森林限界部分が頂上直下100m程度の場所までなので
それまでは針葉樹林帯を進んで行きます。
とはいえ何となく木々の間隔は広めな印象で
それがこの豊富な降雪量を抱える原因になっているように思えました。
積雪量は1m前後じゃないかと。



おそらくは同じように車を気にしつつ歩を進める相棒様。
2014_0223_07.jpg
どうも私ひとりで12本爪アイゼン&ピッケルを入手したというのが
だいぶ気に食わなかったらしく。


2014_0223_08.jpg
前日に慌ててセット購入を実施した
意思が強いのか弱いのか全く不明な人物である。


私のアイゼンはグリベルのフラッグシップである『Gシリーズ』なのに対し
彼女の持ち物は同じクロモリ製ではあるが
比較的爪の短い仕様の『AIR TECHシリーズ』であるため
「オイ廉価版!」と私からいじられて
随分序盤からイラついてました。

ニューアイテム デビュー戦の手ごたえとしては
二人とも誰に教えてもらっている訳ではないので
試行錯誤しながらの初使用でしたがいずれも問題なさそうで、
使い手側の更なる熟練のみが必要かと思われます。


そうやってアイゼンとピッケルの感触を確かめながら
アプローチの平地を進んでいると
名物の熊棚が見えてくる。
2014_0223_09.jpg
そもそも熊棚って何だ?
遅ればせながら調べたところ

熊が木に登り、枝を折って木の実などを食べた跡
なのだそうだ。
細い木の枝の上にあったので、逆説的な意味合いで
熊に荒らされないようにサルなんかが木の上に貯蔵するスペースじゃないかな
と思っていたのにそのまま来るとは熊にも思いませんでした(?)。


つーかあんなとこまで登れるんか!?
歩行中に降ってきたら下半身から清潔ではないものがダダ流しになるでしょうね・・・。



これを目印に1つ目の急勾配がスタートします。
2014_0223_10.jpg
序盤という事もあり、たっぷり間を取りながら
1歩1歩登っていきます。
アイゼンはバッチリ効いてくれて安定性は問題なし。
ただピッケルの使い方がいまひとつわかりませんでした。
無駄に杖代わりに使って、余計な筋力を使ったのかもしれない。
ストックも持ってくればよかったのかも。


斜度が伝わればいいんだけど。
頂上まで3度このレベルの勾配を登る必要があります。
2014_0223_11.jpg
基本として「息の切れない速度で」が原則ですが
まぁ切れますね。
かっこ悪くてもとにかく前へ!


2014_0223_12.jpg
一つ目の急登を終えると視界が開けだします。
先日もご尊顔を拝んだ南八ヶ岳の皆さん。


この日は先日より更に天気に恵まれ。
南アルプスも更にすっきり見通せました。
甲斐駒様 超カッコイイ。
2014_0223_13.jpg
あまりに景色が雄大なため山の裾野が錯覚を起こさせて
水平の見方がわからなくなります。
上の写真は(内臓の)水平器では水平を示していましたが
右下がりに見えませんか?


水平を取る人を撮る。
水平のズレは倍倍ゲーム。
2014_0223_14.jpg
そうそう、パタゴニアのハードシェルは全く問題なし!
ショップの店員さんから
「どうせ暑くなるんだから最初からベンチレーションは全開でいいんスよ」
相棒が言われてたのを盗み聞きしていたので
対策もバッチリでした。


この辺りから山頂が見え出す。
2014_0223_15.jpg
なんだあの距離は。
と若干戦意をそがれます。


2度目の急勾配を越えると標高2,120mの標識が。
2014_0223_16.jpg
なんであるのかわかりませんが、
一本道という事もあって標識がほとんどないので
目印としてありがたい。


2014_0223_17.jpg
このポイントは今回の道のりの中間地点なのですが、
この時点で時計は10時50分。
標準コースタイムは3時間程度(夏時期)なので遅れている事になるのですが
頂上までの距離を目の当たりにしているにも関わらず
なぜかこの時の私は、「うんいいペース」とだいぶ勘違い。

これが噂のクライマーズハイってやつか。
まぁ一本道なので地図を見て確認しなかったのが原因です。



さぁここからが蓼科山の本領発揮。
2014_0223_18.jpg
最後の急勾配のスタート。

いやはやこれがこれまでの急登と比べて長いのなんのって。
ウチの相棒は2歩進んで一休みを繰り返しその姿に
竹内氏のダウラギリ登攀時の画を重ねながら後ろから眺めてました。
(「何度やっても楽にならない」というそのシーン)
いやほんとそんな感じだった。
これがそのまま彼とのレベルの差なんでしょう。


ヒーヒーいいながらようやく森林限界が見えてくる。
2014_0223_19.jpg
必死こきすぎて
縞枯現象超無視の相棒様



ほうほうの体でなんとか森林限界の境界線に到着。
2014_0223_20.jpg


斜度はこんな感じです。
2014_0223_21.jpg
40度ないくらい?
いずれにしても前爪は使わなくてもいけます。



ここで今回のタイムリミットの13時が来てしまいました。
高度計は2,495mを表示。
2014_0223_22.jpg
事前の調査でここから100mほど進むと山頂という事がわかっていましたが
今回は事前の取り決めを優先する事に。

やっぱり二人とも最後まで置き去りにしてきた車が気になっていたみたい。
下山ですれ違う方々に声をかけられた時も
いつもなら楽しい気持ちになるのに
どうも気が晴れなかったのはそういうことなんだろう。



ということでせっかくだから気持ちよく登ろうって事になり
早々に下山することに。
2014_0223_23.jpg
とはいえ体力ゲージはギリギリのところ。
山頂で大休憩してたらヤバかったかもね。


グリセードを試してみたんだけど、どうもうまくいかず
その代わり尻セードで大いに楽しみました。
ただ、オーバーパンツ着用ではなかったので
パンツにダメージは結構残してしまったかも。
同時に滑落停止訓練(もどき)もできたりして
それなりに経験になりました。


帰りの道中に通ってきた急勾配を見ながら
こんな急登を登ってこれたのかーと変な関心をしてしまいました。
夏からはじまったお山登りは決して無駄な積み重ねじゃなかったんだなーと
ちょっとだけ元気が出ました。

2014_0223_24.jpg
2時間半弱かけて下山終了。
愛車にごめんよーと抱きつきたい気持ちでした。
ご迷惑をおかけした方々にもこの場を借りてお詫び申し上げます。


こんな不貞の輩を首元まで受け入れてくれた蓼科山に感謝。
今回も無事に帰してくれてありがとうございました!


<番外編 旅の終わりに>
今回は後ろめたさから早々に逃げ帰りたかった事もあって恒例の温泉はパス。
とはいえ今回痛烈に必要性を感じたシャベルを諏訪南IC手前のモンベルでゲット。
車に常時搭載します。
そしてその後時間が早いこともあって前回逃してしまった八ヶ岳PAのメインメニューを食しに行く事に。

2014_0223_25.jpg
前回逃したウインナーベーコンカレー。
ちょっとクセのあるルーですが私は大好きです。

2014_0223_26.jpg
相方さまご発注のおソバセット
麺ものに変なこだわりのある彼女ですが大絶賛でした。
(いずれもグルメには程遠いので一般の舌の持ち主には参考にならないかもしれません)

お店のおにーさん達は若々しいすがすがしさがあり
彼らに元気ももらって帰ることができました。
意外と穴場だと思うので気が向いたら皆さんも是非!





(以下メモ)



◇お山
蓼科山 長野県茅野市 標高2,530m
当日コンディション:晴れ、気温-4℃ ~ 2℃


◇コース
【登り】
女神茶屋登山口スタート(9:05) →第1熊棚(9:27) →2,120m標識(10:50)
→森林限界地点(12:55)

【降り】
森林限界地点(13:00) →2,120m標識(14:19) →女神茶屋登山口(15:15)

※トータル時間6時間10分



◇主な装備
・登山靴:GARMONT タワープラス GTX II
・ザック:karrimor ridge 40(総重量 11.6kg)
・レインウエア:Columbia Grass Valley Rainsuit(ボトムのみ 使用せず)
・アウター1:patagonia Triolet Jacket(NEW イイ!)
・アウター2:Patagonia Micro Puff Hoody(使用せず)
・ミドル:Marmot Moon Fleece Jacket
・ベース:TERNUA LAIRG
・ボトム:finetrack ストームゴージュアルパインパンツ
・ボトムインナー:PHENIX Outlast Mid wt. Stretch Tights
・グローブ:Black Diamond Arc Glove
・スパッツ:MOUNTAIN EQUIPMENT TRAIL DLE GAITER
・バラクラバ:MIZUNO ブレスサーモ・バラクラバ
・アイゼン:GRIVEL G12 NEW-MATIC(NEW イイ!)
・ピッケル:GRIVEL Monte Rosa plus(NEW イイ!)


◇メモ
・ワカン車に置いててよかったかも
・ストックも可能であれば持ってた方がいい
・冬山は食事できるところが少ない気がする
・冬用のザックあったら便利
・アイゼンは使用後割とすぐ錆びる
・ハードシェル(orオーバー)パンツ欲しいな
・やっぱりみんな冬靴ですね(今の所寒さは感じませんが感じてからでは遅いかな)

 OYAMA

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